保育AIで作業時間が月5時間→1時間に! 「すくすくレポート×ChatGPT」現場実践ノウハウ

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    世界各国からの保育留学も受け入れている、北海道厚沢部町の「認定こども園 はぜる」ではすでに各種保育ICTを取り入れていますが、今回はさらに一歩進んだ「保育AI」について橋端先生にお話をお伺いしました。ルクミーの保育AI「すくすくレポート」やChatGPTを積極的に試しているそうです。橋端先生のAI活用方法を披露いただきました。

    保育ICTの次の一手。「保育AI」に踏み出した理由

    橋端先生は、2つのAIツールを0歳児クラスの「保育計画」に役立てているそうですが、「保育計画」の作成には従来どのような工程・時間がかかっていたのでしょうか。

    0歳児の「保育計画」作成、従来は毎月5時間以上の作業

    「認定こども園 はぜる」では、0歳児クラスでは毎月個人ごとの「保育計画」を作成しており、AIを試す前は1人分あたり30~50分の作業時間がかかっており、これを1クラス(10名前後)分行うので、毎月約5~8時間かかっていました

    【従来の作成工程】
    個人記録を拾い続ける、時間も集中力も必要な作業

    1. 個人の連絡帳とカレンダーを開く
    2. 各週の発達や成長、様子からトピックスを拾い出す ★ここが大変!
    3. 連絡帳に記載がない内容を追記する
    4. 1週目・2週目・3週目・4週目と情報を並べる
    5. 4までを踏まえて翌月の計画として、5領域に落とし込む
    6. フォーマットに沿って記載する ★ここが大変!

     ※1人分作成に30~50分必要

    「すくすくレポート」+ChatGPT導入で、作業時間は1人5〜20分に

    現在は、ルクミー「すくすくレポート」とChatGPT、2つのAIを活用し大幅な作業時間の短縮になっているそう。その方法とは?

    【橋端先生の実践フロー】
    保育AIで“即使える書類”に仕上げる

    1. ルクミー「すくすくレポート」で1ヶ月分の個人のレポートを作成
    2. 内容を一読し、足りない点を追記
    3. フォーマットに合うように、文章量や語調をChatGPTで変換
    4. 見直し・調整をして完了

    【保育AI「すくすくレポート」とは】

    保育総合ICTサービス「ルクミー」の機能のひとつ。AI(人工知能)を活用して園児一人ひとりの成長記録を自動で要約。

    「ルクミー」の写真や連絡帳などの記録データから、お子さまの「育ち」を要約し自動的にレポートにまとめて可視化します。

     

    保育AIは本当に使える?現場が気になるポイントを聞きました

    「保育AI」の質や利用上の注意点など、気になることを橋端先生に聞いてみました。

    Q1:「すくすくレポート」のまとめは、実際のこどもの成長や様子とズレない?

    橋端先生:まだ試している段階ではありますが、「すくすくレポート」は連絡帳に入力された情報がもとになっているので、全く違うというようなことはない印象です。むしろ連絡帳から手でピックアップした情報より、全データからまとめる「すくすくレポート」のほうがより正確できめ細かい情報になっていると感じます。

    Q2:ChatGPTはどんな役割で使っていますか?

    橋端先生:「すくすくレポート」のまとめは、「保育記録」にするにはやや情報が多すぎ、文体も「ですます調」なので、完成形に近づけるために以下のような内容でChatGPTに指示を出し調整しています。

    • 「すくすくレポート」の内容を要約・ポイントを絞って短縮
    • ですますの文体を→である調に変換
    • 園のフォーマットに合うように情報を分類・整理

    Q3: 園独自フォーマットへの対応は可能?

    橋端先生:フォーマットPDFかスクリーンショット(写メ)をChatGPTに渡せば、項目や分量をある程度見てあわせてくれます。

    Q4:AI活用の留意点やコツはありますか?

    橋端先生:ChatGPTが保育用語があまり得意ではなさそうなので、ずれているときは都度指摘し、正しい情報を伝えています。文体などは過去の例を読み込ませるのがコツだと思います。用語も文体もChatGPT側が学習してくれるので、月日とともにどんどん使いやすくなっていくと思います。

    まとめ:保育AIは現場を「支える道具」

    認定こども園はぜるの事例から見えてきたのは、保育AIは「考えることを代替する存在」ではなく、現場の先生の通常業務を短縮したりフォローしたりする保育を支援するための道具だということです。

    個々の成長を丁寧に見取りながら、同時に業務負担を減らす。その両立を実現するために、「すくすくレポート」で全体を俯瞰し、ChatGPTで形式を整え、そして最後は必ず人の目で確認する。この役割分担があるからこそ、時間短縮と保育の質の両立が叶います。

     

    【生成AI利用における個人情報保護について】
    本事例におけるChatGPTの活用にあたっては、個人情報保護およびセキュリティに万全の配慮を行っています。
    個人情報の非入力:AIに情報を読み込ませる際は、園児の氏名・生年月日・住所などの個人を特定できる情報は一切入力せず、あらかじめ伏せ字や記号に置き換える等の対策を講じています 。
    適切な運用ルールの徹底:園内および自治体のガイドラインに基づき、機密情報の取り扱いに細心の注意を払った上で、保育の質向上と業務効率化の両立を図っています 。
    • ご利用の皆さまへ 生成AIをご活用の際は、各園のセキュリティポリシーに従い、個人情報の入力には十分ご注意ください。

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